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9/17 ②「水力発電と一般家庭で利用できる自然エネルギーの賦存量」
「農業用小規模分散型水力発電は商売になる」
08年9月17日 恒任東士先生
9月17日の授業は自然エネルギー事業協同組合レクスタの恒任東士先生による「水力発電と一般家庭で利用できる自然エネルギーの賦存量」。
恒任先生は現在、主に太陽光発電、水力発電、風力発電に関する小規模分散型機器の普及活動を行っている。
水力発電
恒任先生はまず、エネルギー利用は地域の人口密度に適した発電方法を選択しなければ効率が下がることを指摘。
人工密度が高い日本では、系統電気が適し、自然エネルギーなどの小規模分散型発電は不適切だとも言える。
しかし石油エネルギー依存を減少させるためにも、身の周りに存在するエネルギーを利用する小規模分散型発電機器の中でも、特に水力発電機器が急激に進化しているという。
そこで行政も小規模分散型の水力発電に関して規制緩和を開始し、農業用水車などの利用が可能になり始めている。
その一方で、これまで小規模分散型水力発電機器が普及してこなかったのは、電力会社がその電気を買電してこなかったことも大きい。太陽光発電により得た電気価格は100%決まっているにも関わらず、小規模分散型水力発電により得た電気の価格は、個別契約により電力会社と交渉する必要があるのだ。
しかし現在の技術をもってすれば「農業用小規模分散型水力発電は商売になる」と恒任先生は話す。
その一方で、全国に通っている電線からは、電気のみならず電話線や有線・防災無線など様々なものが得られるため、地方の農家も電柱を手放したくはないのが実情だという。
世界動向と地熱発電
では世界における自然エネルギー普及状況はどうなっているのだろうか。
EUは2020年までに自然エネルギー利用率を20%にまで高める目標を打ち出している。
またアメリカは世界一の風力発電大国となり、その中でもテキサス州がトップ。地熱にも本気で取り組み、「タフな自然エネルギーの補償を行っている」という。
一方日本は、火山地帯であることから地熱発電が非常に有望であり、地熱のみで日本の発電を賄えるのではないかという意見も多い。海外の識者などからもその潜在能力は高く評価されているという。
しかし温泉業者の利権からくる開発反対(温泉が荒れるなど根拠のない反対)や、「地熱は発電により地熱が枯渇する」という学者の反対などにより日本における地熱発電は進んでいない。
一方でイギリスやアメリカでは地熱発電が開始されているという。
風力発電
また日本における小型風力発電は厳しい状況だという。
というのも、日本の風は15分で90度風向きが変わる場所が多く、ヨーロッパ型の機器では風向きの急激な変化に耐えられず壊れてしまうことが多いという。また雷が落ちることも多い。
また小型風車が効率よく発電するためには、年間平均4.5m/s以上の風力を必要とするが、通常の強風で風速2m以下、3mの強風では洗濯物が干せない風となる。つまり、風速4.5mの風など街中でほとんど吹かず、しかも4.5mは発電における最低レベルの風力であるという。
また街中では建築基準法により15m以下しか設置が認められておらず、住宅街区ではさらにその高さは下がっていく。そこでは風が乱流域ともなり風車は回らない。
しかし風力発電も確実に風を受けることができれば発電機器としては非常に有効であるため、領海が広い海の上に発電機器を浮かせる方法なども思案されているという。
では風力発電に力を入れているアメリカではどうしているのか。
アメリカは広大な土地を利用して、1機50万円高さ60mにもなる風車を牧場の風が強い場所に設置する。よってハリケーンが来てぶっ飛んでもけが人もでない。
太陽電池
太陽電池を利用した太陽光発電は、光のエネルギーを直接電気に変えるもの。
1㎡の太陽電池に1000Wの光を当てると、15%の変換効率により150Wの電気が得られる。
当然光の吸収率によりその効率は上下する。よって光の少ない地域では太陽電池を常に太陽に直行させる必要もある。
例えばアフリカの日射量は日本の約1.5倍存在するため、そうした未利用地域における有用な日射利用によるビジネスも始まっているという。
火力発電
火力発電はその発電や送電時において、初めの約3分の2のエネルギーが失われてしまう。
現在さらに高効率機器も開発されているが、集中型火力発電における効率と、各地域における小規模分散型発電の効率、両者のどちらが高効率なのかを考え検証している人はいないという。そこには、集中型発電の効率に対する疑問が本格化し始めたということでもあり「日本は送電線を維持するコストを考えだしている」と恒任先生は話す。
猿渡一好