タイトルはエコガーデン計画となっていますが、まずはエコということは置いておいて、お庭のプランニングをするにあたってどんな視点からプランニングを考えていくかというお話から始まりました。
お話が多岐にわたるものだったのでここにすべてそれを記すことはできませんが、僕が興味深いと思ったのは;
・庭園の基本は「囲まれた空間」であるということ。
・空間という明確な外形をもたないものをデザインするという奥深さ。
・見る人の実際の視点から庭のデザインを考えて、どう見せるかを考えるという視点でデザインを進めていく手法。
また、エコロジカルな視点をデザインのなかに取り入れるという点では、
・「継続性の尊重」ということがエコロジカルなデザインの中心にあるということ。
・植栽によって日射を調整することで、熱エネルギー収支・住環境の改善に貢献すること。
・「すきま」の多いデザインが豊かな生態系をサポートすることにつながるということ。
などです。
そもそもお庭というのは、荒野が広がるなか、人間が安心して暮らすために塀で囲われたスペースを作ったことが原点だというお話がありました。自然そのものとは違うが、自然に限りなく近いものを人間が居住する空間の中に再現する。"自然に人間が介入し続けることで維持していく空間"という意味では、田んぼや里山などと同じ位置づけにあるということが言えるのかもしれません。
では庭はプライベートな空間なのか?というとそうとも限りませんね。パブリックの庭というのも当然あります。公園や、学校・商業施設・病院の中庭、それに庭園とよばれて入場料を払ってみるようなところもあります。そこからもう一歩進んで、たとえ個人宅のお庭であっても、完全にプライベートとしてデザインを考えるか、それともパブリックな要素も含んだ存在としてデザインを考えるかで、そのあり方は大きく違ってきます。
自分の土地だからどんなデザインにしたっていいはずだという考え方ではなくて、もともとその土地がもっているよさ、雰囲気への配慮を忘れずに、自分の土地であってもその土地一帯の景観の一部であると言う意識を持つこと。それが上で述べた「継続性の尊重」ということの意味なのだそうです。わかりやすい例で言えば、地域の人たちから愛されている樹齢300年の立派な大木があるとして、あたらしくその土地を買ったデベロッパーが、マンションを建てるのに邪魔だから切ってしまおう、ということは日本全国で起こりうることだと思いますが、その「地域の記憶」になっているような要素への配慮をするということも「継続性の尊重」ということがいわんとしていることのひとつです。
いずれにしても、庭をデザインする際には、その土地のことをよく調べること。たとえば気候条件であったり、土の状態、地形、まわりの景色、風向き、周囲の環境(ex.住宅街)というようなことです。
そしてそこで時間を過ごす人たち(使い手)がどういう人たちをよく知ること。最終的には使い手がそこで過ごす「時間」がデザインの対象になる。そのためには、使い手たちの社会的空間・心理的空間を意識して物理的な空間に落とし込んでいくという作業が必要となる、とのことでした。そういう作業をする為には、自分の中にさまざまな空間体験の蓄積が必要で、普段から意識して、この空間はいいなと感じたときに、どんなところがいいと感じたのかを考え、自分なりの「心地よい場所のストック」を作っておくとよいというお話がありました。
はっきりとした外形のないものをデザインするということでもうすこし言うと、たとえば、水を張った空間を作ることで、光がきらきらと反射したり、水面に空のようすが写り込んだり、風が吹けばさざなみがたったりする。また木があることで、葉が風にそよいだり、葉がこすれ合う音が出たり、地面に木漏れ日をおとしたり、、、そのような現象をデザインに組み込んでいくというのはじつに奥深いことだなと感じました。
次回に続く。(次回は実際にスケッチをするそうです。受講生のみなさんは色鉛筆を忘れずに)
ソガケンタ
Comments
いつも記事アップ、ありがとう。
「お話が多岐に渡る」…というのが、緑の家学校らしいなと思います。
講師の先生は、その道の超プロフェッショナルで、お話を聞くときにはいつも、凝縮された手・技のすべてが感動のため息ものであると同時に、(時に、ため息をつくところまで許されず、眉間にシワを寄せる、あるいは内容の余りの高度さに口が開きっぱなしになってしまう…)何というか、一つの機軸をもって無限に広がり続けるような、本質がある一点を超えると境目をなくすような、不思議な感覚に陥る瞬間が多々あります。
講師の先生の縦横無尽で多彩な、ジャンルに捕らわれないお話は、本当に見事です。お庭のクラスは残念ながら参加できていませんが、農業・建築の2クラスに出る度に、農業・建築とは一見異なって映るであろう、さまざまな「見方」や「切り口」を得ることができたと思っています。
枕が長くなりましたが、外形のないもののデザイン。10年ぶりに海に行きました。船で少し沖合いまで行ったのですが、曇天の波間というのもなかなか見ごたえがありました。(お庭とはかけ離れているけど。)水面に日差しがキラキラするのも素敵ですが、さまざまなパターンに、グラデーションの青が重なる様子を目にしたとき、1/fを感じました。
話が迷走して、失礼!